
第64/65代総理、田中角榮とは
昭和で一番注目された総理といっても過言ではない。
強烈な個性とカリスマ性のある総理で、戦国武将の豊臣秀吉にもなぞらえて「今太閤」と称された。
明るく人の心を惹きつける”人たらし”な性格、「角栄節」とも言われる魅力的な演説。カリスマ性と人心掌握にすぐれ、史上最年少の54歳で総理大臣となった。
中卒学歴(しかし、記憶力は抜群で人の顔と名前は忘れず、英語の辞書を丸覚えした数字にも強かった)にも関わらず総理まで一気に上り詰めたドラマチックな出世。
大胆かつスピード感のある政治
前任の佐藤栄作内閣での長期政権の倦怠は日本に閉そく感をもたらした。
その反動ともいえる田中角栄内閣。田中は稀に見るスピードと決断力と大胆な政策で日本を変えていく。
就任直後に3か月もたたず日中国交正常化を果たし(長年もたついていた懸案事項であった)
新幹線の開通、高速道路。外国為替市場が変動相場制へと移行。
今日の日本の基礎は田中角栄あってこそであろう。
政策の基礎である日本列島改造論(田中独自の国土開発の構想。田舎にも工業を誘致して都市化をすすめ道路や鉄道などを広げて一極集中させない経済と権力)は今日でも通じる。
時代が変わり地方の衰退が目立ちはじめ、今一度この構想について検討をしていく必要がある。
田中元総理の特徴と容姿
存在感のある顔。涼し気な顔立ちながら、野心とカリスマ性が溢れている。
しかし口ひげと下駄ばきというざっくばらんなスタイル。そのギャップが親しみやすい愛されキャラを作った。
扇子を持って「よっしゃよっしゃ」が口癖
逮捕されるは牛耳るわの異色の総理
色々な意味で異色であった。
のし上がりの人生もそうであるが、総理退陣後の二年後、ロッキード事件で逮捕された。
しかし大人気の田中は派閥を動員して、裏でフィクサーとして暗躍し、今度は「闇将軍」と呼ばれた。
カリスマ的な実行力と相反するダークな側面。その矛盾したキャラクターは今日でも惹きつけられてやまない。
エピソード
新潟県出身。
好物はニシンや大根などの田舎料理。
マメな性格で、代議士への贈物、地元の名士への挨拶や冠婚葬祭への参加を欠かさなかった。
今日では自民党の代名詞のようなこの田舎風の泥臭いやり方は田中がはじめたのである。まさに豊臣秀吉のようだ。