
あの京都・公家出身の幕末の偉人
歴史上の偉人さんの似顔絵を時々描いてます。
本日は岩倉具視(いわくらともみ)さん。
公武合体の立役者として有名ですね。
岩倉具視 – Wikipedia
私の世代は知っている「500円札」の肖像画
お札になった人。
知ってます?500円札だったんだよ。若い人は知らないかあ。500円って今みたいな硬貨じゃなくて、紙のお金だったんだよ。
子供のとき、岩倉(いわくら)までは読めるんですが具視(ともみ)って下の名前読めましたか?私は読めないし、ともみって女の子みたい~って思ってました。
それがそれがトモミちゃん、幕末の底知れぬ権謀術数のキャラ。もっとも政治家であり、革命家であり、キーマンであり。
引きこもりの忍耐のたたき上げの政治家
幕末、当時の公家は貧乏で、岩倉さんは主流ではなく、政治的に追いやられた時期がある。
京都に岩倉という場所がありますが、自然の多い、静な場所です。そこで岩倉さんは隠遁していたんですね。
蟄居(ちっきょ)と言われますが、意味は
家の中にとじこもって外出しないこと。
です。要するに殺されてもいいくらいだけど、閉じ込めておいて、もう表舞台から外れた人、という扱いです。その間は5年で、トモミちゃんは、30代後半から40代はじめまで。若い一番油の乗った時期に、外出もろくに許されず閉じこもっていた。いかにウツウツとした5年間だったでしょうか。
虎視眈々と、そこでチャンスを狙っていた。
顔も、なんとも暗い情熱を内に秘めたような、しかし、野心が沸々とたぎっていて、おっとりと浮世離れしているような公家さんとは違います。
変な帽子を被っている岩倉具視の似顔絵
この公家の帽子(烏帽子(えぼし))を被っている写真が有名です。
烏帽子がまったくもって変な感じで似合いませんね。衣装と中身がチグハグというか。
表情に品がない権謀術数のキャラ
そして、このヘの字口。若い時からこの口です。口の奥歯を絶えず噛みしめていないとこんな表情にはなりませんよね。
まさにムスっとした政治家そのもの。
生まれつきかどうかは分かりませんが、長い蟄居の苦労でこうなったのか。苦労してきて、この表情が張り付いてしまっているんでしょうね。
教科書によく出てくる岩倉使節団の写真でも真ん中が岩倉具視。
木戸孝允、山口尚芳、伊藤博文、大久保利通といった個性豊かなメンバーの中でも異彩を放って強烈な存在感ですね。
公家の恰好が、似合わないことこの上ない。
その眼力の輝きはするどく、強く、ほの暗い。
私、幕末の人の中では一番岩倉さんが好きかもしれません。
若さと情熱を武器に駆け抜けた幕末の薩長の志士達とは違うキャラクター。坂本龍馬や西郷隆盛といった、幕末キャラに比べて、岩倉さんは人気ないですけど。私は現実にいたら、この人に一番気持ちがいくんじゃないかな。
京都人らしい、細やかで粘り強い、複雑なメンタリティ。そして隙のない情熱を持っているのが岩倉さんじゃないかとお顔を描きながら感じました。